- 事業内容
- カフェ
- プラン
- ライトコンサルティング
アウトドアスタイルのカフェ(喫茶店)の店舗集客を行った事例です。
カフェとしてコーヒーやフードを提供している屋内店舗と、外にはテントやタープを立ててアウトドアを楽しめる芝生エリア、天然芝のドッグランを備えた複合型カフェの店舗集客を行いました。
背景
補助金を活用した新しい事業として、アウトドア×飲食のカフェを開業されたお客様。最初の頃はマーケティング顧問契約によって店舗での提供メニューの策定や提供サービスの構築を行ってきました。店舗のオープンが近づくにつれて集客面での支援が必要となり、福井マーケティング研究所のライトコンサルティングへプラン変更頂きました。
ドッグランは犬を飼っているお客様にご利用いただいていたものの、本来の目的であるカフェの利用者が伸び悩んでいました。屋外にも客席を設けたスタイルで、どうしても発信内容が屋外のアウトドアを意識したものとなっていたため、平日の一般客を集めるのに苦戦しました。
アウトドアカフェというコンセプトになるため店舗の場所も郊外になり、車通りはあるものの立ち寄ってコーヒーを飲むようなロケーションではありませんでした。初期段階で企画を盛り込んだため、カフェというよりレジャー施設として認知されていたような状況。
実行した施策
- 平日と休日での利用客分類
- Instagramを活用した発信内容の変更
- メニュー、提供食器の変更
- アウトドアを意識した屋外イベントの実施
平日と休日での利用客分類
アウトドアスタイルを打ち出した店舗設計を行ったことにより、キャンプ好きなユーザー様を集客することには成功していました。しかし、そういったお客様も平日はなかなか来店してくれません。どうしても平日は一般客を集客し、カフェ形態での売上を確保することが必須でした。
そこで、平日と休日での利用客層を分類し、平日は一般利用、休日はアウトドア利用と振り分けました。集客のための発信内容も変更し、平日はカフェ利用を進める内容、アウトドアイベントや屋外での利用シーンは休日向けに発信するように変更しました。
昼間はフードの提供も行っていたことにより、平日ランチに力を入れ、週替わりランチをInstagram等のSNSで発信していくことにより固定客の獲得に成功しています。また、おろしそばの提供を行っているので、年配のお客様も一度来店していただければ再来店を促すことに成功しました。
お店のコンセプトを保ちながら、利用客層を分析し、それぞれの客層にマッチした集客を行うことにより、平均的に売り上げを確保することができました。
Instagramを活用した発信内容の変更
カフェ集客のためにはInstagramを活用しています。アウトドア好きな方を集客するため、利用客層にマッチした媒体ということでInstagramを選択し、店内、屋外のリアルな状況を伝えることによって集客していました。また、使用しているアウトドア用品を投稿することによって、そのブランドのファンを獲得することにも成功。
しかし、発信内容がアウトドアにより過ぎていたことにより、初見のお客様は「アウトドアのお店」「キャンプをする人のためのお店」という印象を持たれていました。これは実際にアンケートを実施した結果を元に分析しています。
そこで、発信内容をカフェ業態に振り切り、コーヒー等のドリンク、週替わりのランチをメインに投稿する形へ変更。アウトドアを連想するような投稿は休日に発信するように方針転換しました。
地道に発信を続けることによって、平日のランチ客が増え、休日は家族やカップルでちょっと変わったアウトドアカフェを楽しんでいただけるようになりました。また、ドッグランの投稿も増やしたことにより、休日はワンちゃん連れのお客様も増加。平日と休日どちらも固定客を獲得することに成功しています。
メニュー、提供食器の変更
アウトドアスタイルカフェという形態でスタートしたため、使用する食器も某有名アウトドアブランドのものに限定していました。アウトドア用品の中でも高級ブランドのものを使用したため、初期費用は嵩みましたがファンの方の目に留まり、アウトドア好きの方からは好評でした。
しかし、アウトドア用品で揃えた結果、必然的にステンレス製やチタン製の食器が多くなるため、どうしても一般のお客様からは受け入れられていない印象がありました。普通では味わえないような感覚(コンセプト)を大事にした結果でしたが、どうしても口に入るものに対して違和感を与えてしまっていたようです。
そこで、ランチメニューで提供するような一般のフードに関しては通常のカフェで使用されるような食器へ変更し、一般的なカフェと同じような売り出しを行いました。その中で、アウトドア感の強いメニューに関しては、メニュー名でわかるようにした上でアウトドア食器での提供を継続。一部のアウトドアファンの方に喜ばれるメニューと、通常の一般メニューに関して食器も区分けしました。
それだと一般のメニューしか売れないのかと思われがちですが、通常の食器で食べるランチがあることによって、アウトドアイメージのメニューが引き立ちます。その結果、通常メニューも売れながら、ちょっと風変わりなアウトドアメニューを注文されるお客様も増加しました。最初から「アウトドア風」という認識で注文していただくことにより、食器での違和感をなくすことに成功しました。
アウトドアを意識した屋外イベントの実施
アウトドアカフェというコンセプトのため、屋外にはテントやタープを設置し、その下で食事ができる屋外席が配置されていました。晴れた日には外で食事される方も多くおられたのですが、外での食事を楽しまれているだけで、アウトドアスタイルのコンセプトとは少し違った印象になってしまっていました。
そこで、屋外には焚き火台を設置し、定期的に焚き火イベントをよる営業時間帯に開催。仕事終わりに訪れてくれるお客様も多く、焚き火を囲んでコミュニティ作りができました。焚き火イベントから店舗を知ってもらい、その後の来店に繋げることに成功しました。
店舗は車通りの多い道沿いにあるため、外でイベントをしているだけで多くのお客様の目に留まります。アウトドア好きの人だけを集める目的ではなく、お店があることを車で走っていく方達にも知ってもらうため、屋外イベントを定期開催しました。
その結果、カフェ自体に来店したことがない方に話をしても「確かに、何か飲食店あるよね。」と認知してもらうことができています。デジタル広告を出したり、看板を出したり、情報誌に広告を出稿したり…、と広告をかけるよりも夜間に焚き火をする薪代の方がコストパフォーマンスは最高です。
顧客を意識した事業設計
街中で非日常のアウトドア体験ができるカフェというコンセプト自体はとても面白いものですが、こちらが思っているコンセプトと実際に来てくれるお客様の需要は必ずしも一致しません。これは商品でもサービスでも同じで、事業を成長させるために重要なのは顧客のニーズを汲み取った設計です。
コンセプトを決めたサービス設計はもちろん大事なのですが、しっかりと顧客からのリアクション(集客、購買)を確認して改善してくことが何より大切です。こちらが求めているリアクションを起こして欲しいのであれば、顧客ニーズを汲み取り、適切に誘導したビジネス設計を行わなければいけません。
多くの場合、事業者のこだわりが強く、顧客が求めているものとマッチしないために事業がうまく展開できておりません。一度立ち止まってみて、コンセプト、サービス内容、価格など各面から事業を見直しましょう。