- 事業内容
- アウトドア用品のリユース
- プラン
- ライトコンサルティング
オンラインを活用し、ウェブ上でのリユース事業を展開している企業様の事例です。
アウトドア用品の中古買取・中古販売をオンライン上(ホームページ上)で行っている企業様です。
導入背景
ホームページ上でテント等のアウトドア用品買取申し込みを受け付け、自社ECサイトとYahoo!オークション、メルカリなどのモールで販売されていました。
販路としては自社ECだけではなくモールにも展開されていたこともあり、比較的順調に売り出されていました。しかし、ビジネスモデルとして買取申込をいかに獲得できるかが肝になる状態。買取した商品が在庫となり販売されていくため、商品の仕入れを起こすためには買取を拡大しなければいけませんでした。
買取の申込件数(商品点数)が増えないこと、商品が大型になるため発送のハードルが高いことが問題となっており、買取件数の少なさがそのまま売上にブレーキをかけている状態。何かしらの施策で買取件数を増やしつつ、販売量も増やしていく施策が必要とされていました。
また、個人事業として経営されていたためスタッフも2人と少数で事業を行われており、手を動かすためのリソース不足も問題となっていました。
実行した施策
- 買取サイトのリニューアル
- LINE導入によるオンライン買取の体験最適化
- 梱包キット郵送による買取ハードルの引き下げ
- SNSを活用した自社ECサイトのクーポン発行
買取サイトのリニューアル
以前の買取サイトは買取実績を多数紹介し、商品名検索で検索にヒットさせるような仕組みとなっていました。検索対策は行われていたものの、いざホームページのアクセス解析を行なってみると、多くのユーザーが買取実績ページで買取金額を見て離脱している傾向を確認できました。
買取価格が低いわけではないのに離脱が発生している。つまり、買取価格を見た後の行動を予測した動線作りができていなかったのです。
そこで、ホームページを訪れたユーザーに対して、無料買取申込や無料相談、買取の流れなどのコンテンツへ誘導するような動線を設置し、買取申込に対してのハードルを引き下げるような施策を行いました。
LINE導入によるオンライン買取の体験最適化
今までは買取申込は専用のフォームから行う形となっていました。これは買取から在庫管理、販売管理までを一つのシステムで運営されていたためです。業務効率化を目指した取り組みが、お客様にとっては申込ハードルを上げることになってしまっていました。
買取申込者(お客様)のほとんどが個人ユーザーということもあり、LINE公式アカウントを導入したLINE問い合わせへの対応を進めました。LINEであれば気軽に問い合わせができることに加え、写真の送付なども簡単に行えるので買取査定もスムーズに進む。顧客との距離を近くしコミュニケーション頻度を上げることによって、業務効率も上がりました。
導入初期のコミュニケーションコストはかかるものの、本来の目的としていた買取申込件数を増加させたことにより、スタッフを新しく採用可能となりました。
梱包キット郵送による買取ハードルの引き下げ
買い取る商品がテントなどの大型商品となるため、買取申込の個人ユーザーとしては発送する手間がかかっていました。ホームセンターへ行き、商品が入る規格の段ボールを購入し、大型商品が送れる運送会社へ持ち込む。この手間がかかることもオンライン買取が伸びにくい一つの要因です。
そこで、オンラインで買取申し込みをしてくれたユーザーに対しては梱包キットを郵送するようにしました。買取申込の時点で商品が何なのかは分かるので、その商品が梱包できるサイズの段ボールと買取申込書などの書類を一緒に申込者宅へ郵送してしまうのです。
これにより発送の手間も省け、かつ買取申込書も書面で送っていただくことができます。
SNSを活用した自社ECサイトのクーポン発行
買取件数が増えたことにより販売も増えていくのですが、どうしてもモールの販売手数料がかかるので、いかに自社ECサイトへ誘導して購入してもらうかが問題となっていきました。10%の手数料を取られるのであればモールの販売価格をそれだけ引き上げなければいけませんし、自社ECサイトはまだまだ発展途中だったのでユーザー数も多くありません。
まずは自社ECサイトの存在に気づいてもらうこと、利用してもらうことが重要です。
そこで、活発に動いていたSNS(Instagram)を活用し、フォトコンテストを実施しました。フォトコンテストを開催し、受賞したユーザーに対しては自社ECサイトで使用できるクーポンを配布したのです。アウトドアユーザーの中にはカメラを趣味にしている方も多く、企画と商品がマッチしたものを作り上げられました。
クーポン配布によって自社ECサイトを知ってもらうだけではなく、その写真をホームページで使用させてもらう許可も取れたので、ECサイト運営で困る問題の一つ「写真素材の不足」も補うことができました。
ビジネスの流れを意識した施策実行
このお客様の例では、「買取販売を行っているから、販売を強化する」といった単純な施策の立案ではなく、ビジネス全体の流れを確認し、どこがボトルネックになっているのかを確認してからの施策立案となりました。
単純なプロモーション視点のマーケティングでは、売り上げを上げるために販路拡大となってしまいそうですが、ビジネスモデルの軸として「買取した商品が在庫になる」という形を理解することが重要です。キャッシュフローを確認しながら目標売上に対して適切な在庫量を算出し、そのために必要な資金を計算し、期間を区切ってビジネス全体の動きを変えていったことが目標達成の要因となりました。
常にチャットで相談を受け付ける体制を取りながら、月1回はzoomで面談と施策の状況共有を行うことで、マーケティング費用を抑えつつ本質的な事業改善が達成できました。